従業員に新しいことにチャレンジさせていますか?
新しいことにチャレンジすることが、職場の活性化や従業員のやる気につながります。これは単なる精神論ではなく、脳の働き、特に「ドーパミン」という神経伝達物質の分泌が深く関係しています。
ドーパミンは、いわゆる「やる気」や「快感」「達成感」と密接に関係する物質で、人間が何かに取り組もうとする意欲や、目標に向かって進む推進力を生み出します。特に、新しいことに挑戦する場面では、このドーパミンが強く分泌されることが分かっています。
たとえば、普段とは違う業務を任されたときや、自分の意見が採用されて何かを試す機会を得たとき、人は「ちょっとワクワクする感覚」を覚えるものです。
これは単なる気分ではなく、脳内で実際にドーパミンが分泌され、「報酬が得られるかもしれない」(お金とは限りません)という予感が生まれている状態です。
この予感があるからこそ、モチベーションが自然に高まり、「もう少し頑張ってみよう」という気持ちになるのです。
逆に、毎日同じ仕事の繰り返しで、結果も変わらず、評価も得られないとなると、脳は新たな刺激を感じず、ドーパミンの分泌も鈍くなります。その状態が続けば、「どうせやっても同じ」「頑張っても意味がない」と感じてしまい、やる気が下がっていくのも当然です。
だからこそ、職場の中に「ちょっとしたチャレンジ」を日常的に取り入れていくことが大切になります。大きな目標でなくてもいいのです。新しい方法を考えてみる、新しいツールを使ってみる、あるいはお客様への接し方を工夫してみる——そういった小さなチャレンジが、脳にとっての“報酬の予感”となり、従業員一人ひとりのやる気の源になるのです。
さらに、それが「自分の工夫で成果が出た」という体験になれば、脳は「成功した」と認識し、ドーパミンはさらに分泌されます。この好循環が続くことで、本人の自己肯定感が高まり、職場全体の空気も明るく、前向きなものへと変わっていくのです。
つまり、新しいことに挑戦させるというのは、単に仕事の幅を広げるだけでなく、脳が“やる気を出す仕組み”をうまく使って、自然にモチベーションを高めていく、非常に理にかなった方法なのです。
この“ドーパミンが出る仕組み”を活かして、やる気や職場の活性化につなげる具体的な方法はいくつもあります。
医療関係の職場で考えましょう。
まず、医療現場は「ミスが許されない」「マニュアル通りに」という意識が強く、どうしても「目の前の業務を確実にこなす」などチャレンジ精神が生まれにくい側面があります。でも、だからこそ“安心して試せる小さなチャレンジ”を設計してあげることが重要です。
【看護師や受付スタッフ向け】
「患者さんとの接し方のちょっとした改善」からスタートできます。
「今週は“笑顔で名前を呼ぶ”ことを意識してみよう」
「患者さんとの雑談で“ひと言ほめる”を入れてみよう」
といった、小さな行動目標を設定して、それを共有・実践してもらうだけでも、「やってみよう」「結果が見たい」というドーパミンのスイッチが入ります。そしてそれが、患者さんの反応や、チーム内での承認につながると、「自分の対応で空気が変わるんだ」と実感できる。これが次のやる気に火をつけます。
【医師や技術職のスタッフ】
「知識・技術のアップデートを試す」ことをチャレンジにできます。
たとえば、
・最新の論文や症例をスタッフ同士で紹介し合う「ミニ勉強会」の開催
・新しい機器やツールを“テスト導入”して、使用感をフィードバックするプロジェクト
・患者説明資料や掲示物を“より分かりやすく”するリデザイン企画を任せてみる
といった形で、「考えて動いてみる機会」を用意するだけで、主体性が生まれ、達成感とドーパミンがつながっていきます。
ポイントは、「やってみて終わり」ではなく、その結果をフィードバックして、「それ、よかったね」と一言でも認めてあげること。これがドーパミンをより強く引き出します
【チャレンジの共有】
一人でやっても達成感はありますが、チームで共有されると、それは“評価”に変わります。
たとえば、
・院内ニュースや社内LINEで「今月のチャレンジ成功例」として紹介する
・朝礼や終礼で「今週、何か工夫したことある人?」と投げかけてみる
といった形で、“小さな挑戦が認められる文化”を作っていくことが、さらに次のチャレンジを呼び込む好循環になります。
医療の現場でも、創造性と成長の余地はたくさんあります。
その起点となるのが
「小さな挑戦」→「やってみた」→「認められた」→「またやってみたい」の流れ。これを意識して設計してあげれば、自然と職場が前向きになり活性化されます。
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