仕事にやりがいを感じることは、多くの人が望んでいる一方で、実際にはそう簡単ではありません。経営者としては、従業員にはやりがいを感じながらよりよい職場を築き上げたいと考えていますよね。
しかし、その難しさには、いくつかの深い背景があります。
まず、やりがいは「目に見えにくい」ものであるという点が一つの壁です。
給料や昇進といった成果は数値で測れますが、
「この仕事が誰かの役に立っている」
「自分が成長している」
といった感覚は、外から与えられるものではなく、内面で感じ取るものです。そのため、同じ仕事をしていても、やりがいを強く感じる人もいれば、まったく感じられない人もいるのです。
また、「やりがい」という言葉には、自分の価値観や人生観が大きく関わってきます。
たとえば、
「人の役に立つこと」にやりがいを感じる人もいれば、
「難しい課題をクリアすること」
「成果を上げて評価されること」
に充実を覚える人もいます。
つまり、やりがいは十人十色で、誰かにとってのやりがいが、別の人にはまったく響かないこともあります。
そのため、「この仕事にはやりがいがあるはず」と思って取り組んでも、自分の価値観と合っていなければ、空回りしてしまうことも少なくありません。
さらに、現実の仕事には理想とギャップがあります。
雑務が多い、成果が出にくい、人間関係がストレスになっている、会社の方針に納得できない……こうした要素が積み重なると、どんなにやりがいのある仕事であっても、それを感じ取る余裕がなくなってしまいます。
「本当は意味のある仕事なのに、疲れてそれどころじゃない」という状態になってしまうわけです。
そして何より、「やりがい」は与えられるものではなく、自分で見つけるものだという点が、最大の難しさかもしれません。
仕事の中にどんな意味を見出すか、それをどう捉えるかは、受け手である自分次第です。だからこそ、目の前の仕事がどんなに地味に見えても、
「これは何につながっているのか」
「誰のためになっているのか」
を問い続ける姿勢が必要になります。
やりがいを感じるのは、簡単なことではありません。しかし、仕事の中に「小さな意味」や「ささやかな達成感」を見つけていくことで、その輪郭は少しずつ見えてくるようになります。
自分の価値観に気づき、目の前の仕事との接点を探し続けること。そこからしか、本当のやりがいは生まれないのかもしれません。









