私たちは日々、さまざまなものにお金を使っています。
食事、衣服、趣味、旅行——生活に必要なものから、ちょっとした贅沢まで。
その使い方は人それぞれですが、「同じ金額を使っても、なぜか心が満たされるときと、そうでないときがある」と感じたことはありませんか?
お金の額よりも、「どう使うか」が、私たちの心の豊かさに深く関係しているのです。
「お金の使い方が心の豊かさにつながる」という考え方は、たとえばこんな場面で実感できます。
ひとつ目の例は、「体験への投資」です。
たとえば、最新のスマホを買うのに十数万円もかけるより、友達や家族と一緒に旅行に行くために同じ金額を使ったほうが、あとあとまでポジティブな感情が続くことがわかっています。
旅行は、行く前からワクワクした気持ちになり、行っている間も楽しい体験ができ、帰ってきてからも「またあのとき楽しかったな」と思い出して幸せな気持ちになれる。
この「思い出効果」が、モノにはあまりない大きな特徴です。
ふたつ目は、「誰かのために使うこと」。
カナダの心理学者エリザベス・ダンが行った研究では、人は自分のためにお金を使ったときよりも、他人のために使ったときのほうが、幸福感が高まることが示されました。
たとえば、友人に小さなプレゼントを買ったり、募金をしたり、家族にちょっとしたご馳走を振る舞ったり。
こういう「自分以外の誰かを喜ばせるために使う」お金は、自己肯定感や人間関係の質を高めてくれて、それが心の豊かさに直結します。
もうひとつ具体的なシチュエーションを挙げるなら、「時間を買うために使う」という使い方もあります。
たとえば、忙しい毎日に余裕を持たせるために、家事代行サービスを頼んだり、移動時間を短縮するために少し高いけど便利な交通手段を選んだりする。
これも、自分の「自由な時間」を増やすことによって、ストレスが減り、幸福感が上がるということが研究(アシュリー・ウィランズら)で示されています。
「もっとお金があれば幸せになれる」と思い
物やステータスを追い求めすぎると、かえって心が空虚になってしまいます。
物質的な豊かさだけでは、心の満足感は長続きしないのです。
むしろ、小さな喜びや誰かとの関係性に目を向けることで、お金は「幸せのきっかけ」になるのだと気づかされます。
モノよりも体験にお金を使う
自分以外の人を喜ばせるために使う
時間を生み出すために使う
こういう使い方を意識すると、お金は「ただの紙切れ」から「心を豊かにするツール」へと変わっていきます。









